CONCEPT

コンセプト

感動のないものは作らない。

ものを創ることは努力と優雅さと感動が基本である。
人間の最大の特徴は努力することであり、他の動物なら本能さえ満たされればそれでおしまいである。
人間のみが物事に完璧な終わりはないと考え、いつも「もっといいものを・・・」と努力することが出来る。
多くの知識を持ち、時代の流れを見詰め、品性を保ち、いつも優雅でありたいものである。

ものを創る以上は、感動のないものを創ってはいけない。
どんな小さなことでも感動し、使う人の喜びにつながるものを創りたいものである。
創り出すすべてのものに、時代に合った洗練度を加味することで、きらめきを放つものであり、そのためには常に感性を磨くことを心がけなければならない。

クウェストが作る住宅の設計コンセプト

QUEST concept 1

1. 自然との一体感がある家

光を取り入れる工夫がされ、風がよく通る家が理想です。一日の中で光の動きが感じられる家も素敵です。庭があれば最高なのですが、庭がなくても窓を開放すると、外と一体感のある家は本当に気持ちがいいものです。
最近、耐震や防火面が重視され、シェルターとしての家づくりが推奨されがちですが、自然の摂理に合った決適な生活が堪能できる、明るくて開放的な家を作りたいと考えています。

QUEST concept 2

2. 自然の素材を生かした家

新建材を多用した家は、作ったその日から劣化が始まります。また傷の補修が不可能なのも新建材の特徴です。全く使用しないわけにはいきませんが、多少のひび割れや変形は覚悟で、自然の素材を組み合わせて家を作ると、年を経るごとに味わいが出て、日々の暮らしに馴染んでいきます。
自分達で作ってきた家のメンテナンスを30年近く続けてきて実感しています。

QUEST concept 3

3. 空間が意識できる家

多くの外国人デザイナーと一緒に仕事をして、いつも質問されるのは、「なぜ日本の家はこんなに天井が低いの?」ということ。「古来から床に座っての生活習慣が定着しているから。」と答えているものの、若者の平均身長も欧米に近づいている今日、見直すべきかもしれません。家族が集まる居間や食堂は、思い切って天井を高くする試みを続けています。床暖房を設置することで、冬の寒さも緩和されて、下手なインテリア装飾を凝らさなくても、心が解放されるような解放感とワクワク感が生まれ、大変好評です。

QUEST concept 4

4. 危険が少ない家

「階段が広くて緩やかですね。」と誰からも言われます。従来の慣習にとらわれずに、ほんの少し階段の床面積を広げることで、驚くほど楽な、そして安全な階段になります。都心で三階建ともなると、頻繁に往復する主要な通り道。階段の問題で住み替えを余儀なくされる場合は意外に多いのです。また、それぞれの部屋の出入り口の段差も怪我の原因になっています。これに対しては、建具を上吊り式にするなど、長く安全に住んでいただけるよう細心の配慮をしています。

QUEST concept 5

5. 夏の暑さと雨に強い家

最近の住宅雑誌では箱状の建物が主流で、
ほとんど屋根のある家を見かけません。敷地が狭い都心の住宅では、なかなか深い軒の出がとれませんが、建物は雨水さえ侵入しなければ、永く堅牢に保てます。逆に、その対策を怠ると寿命は極端に短くなります。防火規制のために被覆された木造住宅では、雨水の侵入があると3年も経たない内に柱や梁が腐って無くなってしまう現実を何度も経験しています。激しい雨や夏の過酷な暑さに対抗できる力強い素材の屋根を持った「永く住める家」を心がけています。

QUEST concept 6

6. 収納力のある家

マンションも同様なのですが、設計段階で収納力のある家を設計しています。
間取りを優先するあまり、季節の道具などがほとんど収納できない家が横行しています。結局のところ、生活が始まると部屋中に「もの」があふれ、どうでもいい日々の暮らしが続いてしまうのです。特に祭事の品や書籍類、暖房器具などの季節用品の収納を確保することで、「お洒落な生活」に一歩近づくことになります。

QUEST concept 7

7. 照明効果が満喫できる家

ホテルの設計を数多く手掛け、夜の「あかり」の効果を知り尽くしていますので、それを家づくりに生かしたいと努めています。天井の真ん中に取り付けた極度に明るく均一な照明は、せっかくのくつろぎタイムを台無しにしてしまいます。
最近はエコの時代。消費電力を考慮した上で最適な照明器具を選定しながら、間接照明で「壁を洗う」手法などを駆使して、照明効果が満喫できる素敵な空間を創造しています。

QUEST concept 8

8. シンプルで控えめ外観の家

これ見よがしな威張った外観は好きではありません。
奇抜な目立ちたがり屋の外観も好きではありません。
また、庇のあることで経年変化が少なく、深みが感じられる外観もお勧めです。
家は日々の暮らしを包括する内部空間が重要ですので、外観から設計することはありませんが、外観には住み手の人間性がなんとなく現れるように思われます。「何でもあり」と嘆く人も多い昨今、少し控え目で、シンプルな形の家を推奨しています。

QUEST concept 9

9. 経年変化が少ない家

どんな家も、完成した時は美しく輝いています。
しかし、その十年後、二十年後はどうでしょうか。無機質な工業製品は、時が経つにつれて劣化していきます。メンテナンスも容易ではありません。
外観では、彫刻のような斬新な家は風雨に曝されてその輝きを失い、薄汚れて可哀そうに感じることも少なくありません。住宅は、施主と共に、少なくても50年くらいは、老いても品格のある姿を保っていてほしいと思います。
そのためにはどうあるべきか。時々、地方の民家を訪ね歩きながら、探究(QUEST)の旅を続けています。

QUEST concept 10

10.ホテルのような家

長年、ホテルの設計を続けてきて、一般の住宅建築がいかに遅れているかが分かります。コストのかけ方にも多少の差はあるのですが、関係者が生産効率やコストダウンばかり追求して、空間の質や社会的資産としてのストックの考えを忘れてしまったからではないでしょうか。
ホテルは非日常の空間。しかし、ホスピタリティーとしての機能は住宅に通じるものがあります。住宅の設計で、贅沢な高級ホテルのような空間を目指すのには無理がありますが、ただの間取りの組み合わせを超えて、毎日の暮らしの中にもホッとする安心感があり、時々「お洒落」とか「素敵」とかの感動が得られる「ホテルのような家」をひとつひとつ丁寧に作りだしたいと思っています。

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