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メールマガジン 「建築家の自邸、満足と反省の物語」
2002/4/30(できるだけ毎週火曜日発行)
第2章 敷地には規制がある
3.私道は要注意(2)
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□ ご購読感謝
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みなさま、こんにちは。はじめまして。
ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
このメールマガジンは、これから家を建てる方のために、建築家の私が自邸
を建てたときのエピソードを物語風にアレンジしたものです。
少しでもみなさまの参考になれば幸いです。
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■ 3.私道は要注意(2)
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私がつい最近体験した私道ゆえのトラブルを紹介しよう。
私に設計を依頼した施主が自分の敷地を測量することになった。やはり、私
道のため簡易な舗装はされているものの道路と敷地の境界が明瞭ではなかった。
建物の設計では、敷地の形状もさることながら、道路の幅員が重要である。こ
れが建てられる規模や形態に影響を及ぼすからだ。
ちょうどその頃、道路の反対側で建売住宅の建設が始まっていた。私はこれ
幸いに、「対面の道路境界のしるしを確認して、そこから4メートル手前まで
バックした所が道路との境界ですよ。」とアドバイスを送った。建売住宅とい
えども、きちんと建築確認申請をして、自分の敷地と道路の関係を調査して決
定したはずである。
ところが、数日して施主から不機嫌そうに電話があった。「先生、先生の言
うとおりにすると、うちの敷地だけが大きく引っ込んでしまいます。」慌てて
現地に行ってみると、これまでの道路の状況からみて、明らかにこの建売の敷
地だけが突出している。確かにこれを認めてしまえば、この施主の敷地は押さ
れて、両隣のお宅より引っ込んでしまう。
私は施主に役所の建築指導課に行って状況を聞くことを勧めた。返ってきた
答えはこうである。「公道なら役所が立ち会ってきちんと境界を明示しますが、
私道となると民間の話なので、地権者同士で話し合って決めてください。」
なんとも無責任な話だ。
おせっかいを承知で私は直接役所の担当者に連絡をとった。「役所の立場は
理解できますが、この建売の境界はどうして認定したのか。現地を見れば明ら
かに出っ張っていることがわかるのですがー。」
担当曰く「申請時に地権者同士で決めた、との説明があったのでー。」
「早速、関係者を呼んで事情を聞き、間違っていれば是正させます。」
施主と私はこの言葉を信じ、その後何度も役所に足を運んだがいっこうに解決
されそうに無く、挙句は居留守を使われる始末。
このままでは、敷地の面積が確定しない。私はこの道路を使用している近所
の人達全員に立ち会ってもらい、その場で測量士に道路の中心線を明示しても
らうことを提案した。この道路を挟んで永年生活をしてきた皆さん。ほんの一
時間ほどでその作業は終わった。そして、どの方も建売り住宅業者からは立会
いどころか、何の連絡もないことを確認し、その境界が勝手に決められた事に
憤慨した。
ところが、例の建売はその後も堂々と工事が行われ、役所の現場検査も無く
数ヶ月後に完成を見た。この敷地だけ15センチほど道路に突出している。買っ
て住み始めた人には罪は無いが、近隣の方々にはこの新しい住人にわだかまり
がないといえば嘘になるだろう。
こちらは近隣全員の立会いのうえ決めたホントの境界をもとに建築確認申請
を提出し受理された。役所には同じ道路で書類上は2種類のポイントがあるこ
とになる。これも現実のホントの話だ。
(つづく)
