構造体は木造が一歩リード
住宅の場合、構造体としては、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の三種類が一般的であることは皆さんもご承知のとおり。もちろん、そのどれにも長所短所があり、私のような専門職であっても、「これが一番」とはなかなか言い難い。
住宅に限っては、その中でも木造が最も一般的で歴史も古い。木材は強固な割には軽くて扱いやすいし、しかも安価で加工も楽とくれば一石三鳥なのだから、昔から全国的に広く普及しているのは当然。特に、私達庶民の住宅ともなれば、安いに越したことはない。おまけに、一本使っても、一本植樹しておけば、また四十年後には立派な建材となる魔法の材料なのだ。
諸外国と比較して、森林に囲まれた我が国の特性が生かされ、木造が広まったことも必然性を持っている。木造は、腐りやすく燃えやすいなどの欠点を持つが、住宅の構造材として敢えて総合点をつければ、やはりダントツなのではなかろうか。