やっと見つけた建具職人集団

批判ばかりでも前に進めない。納得の価格で、家具レベルの建具を造れないか。江東区は木場の材木商社の紹介で、複数の建具工場の作業場を見学して廻った。

どこも小規模で、機械も古い。いつまで仕事が継続できるのか、余計な心配をしてしまう。

「先生、そんなに探さなくても、いい建具屋ありますよ。ちょっと高そうだけど」
清水棟梁は、以前から時々、三星百貨店の建装部関連のレベルの高い仕事を受けていて、その中で知り合ったらしい。

「何だ、そうか、早く教えてよ」
灯台元暗しだった。早速、池袋の会社を訪ねて、加藤社長と意気投合。なんとハーレーに乗っている。このあたりの粋さが気に入った。職人さんたちの動きもいい。物は試しと希望を伝えて数日後に答えが出た。もちろん、製品は合格。即刻、私が組織する職人集団の一員になってもらった。うまくいく時は、うまくいく。

 
加藤建具の強みは、製作そのものより、取り付け調整の機敏さにあった。工場そのものは小規模で、内容によっては、それぞれ得意な協力会社へ製作を依頼する。たとえば、塗装職人を専属で抱えるには、相当の量を営業で拾う必要があるからだ。

そうか、動く建具は、製品そのものよりスムーズに機能するかがカギとなる。加藤さん達は、それを支える体制を整えていた。常に経験を積んだ腕の利く職人たちを稼働させねばならない。
「既製品に比べて、どうしても割高につく。だんだん離れていくゼネコンも多いけれど、半分は戻ってきてくれる。我々の存在価値がそこにあるんです」

いつ連絡しても、知識豊富な加藤社長が事務所に鎮座し、電話応対してくれることが安心感を呼ぶ。メンテナンスの体制を整えて、しっかりした一品生産の建具を現場毎に吊り込んでいく。量は多くないだろうが、確実な仕事を求める私のような発注者がまだまだ少なからずいる証拠だ。そんな気がしている。

建築家 可児義貴からメッセージ

ショールームでお客様からご質問いただく、「可児さんてどんな経歴?」から、「なぜ設計事務所が住宅建設を?」「職人集団『チーム・クウェスト』って?」「SE構法にしている理由は?」「これまでの建設実績は?」「ホテルのような家づくりとは?」「予算は?」まで、本音で語っています。