ひょっとして、名建築?
この廊下にも、思わぬドラマが潜んでいた。廊下の突き当たりに丸窓が取り付けてある。西の壁の天井に近い位置だ。設計段階では、単なる明り...
単行本『建築家が自邸を建てた』(その歓喜と反省の物語) 第2章です。
この廊下にも、思わぬドラマが潜んでいた。廊下の突き当たりに丸窓が取り付けてある。西の壁の天井に近い位置だ。設計段階では、単なる明り...
個室の集合体であるプライベートゾーンの核心は、子供室の在り方にあった。この部屋を環境的に優先させるべきか迷った。考えてみれば、一年...
次に、階段を上がりきったところから西側のプライベートゾーンの話になる。最初に母親の部屋を水廻りの近くに決めた。しかも冬暖かな南側と...
さて、次に、このダイニングに接して、くつろぎの場として居間を置くことになる。テレビを見たり、食後にしばらくゴロゴロする場所である。...
自邸の設計は、アパートの併設が大きく影響したことは間違いない。その意味では、一般の専用住宅にそのまま応用できないにしても、住宅部分...
光は想像以上に上から降り注ぐことも伝えておきたい。特に夏場の太陽は真上にある。惜しいかな、本当に直射日光が欲しい冬場には、太陽高度...
生き物として人間を見た場合、自然をコントロールするあまり、理想の環境作りから逆行し始めたのではないだろうか。特にこの首都圏と言う地...
住宅の間取りを決定する時、「何が一番のキーワードですか」と依頼者からよく聞かれる。正統派の建築士は「ケースバイケース」と答えるのだ...
配置計画が終わっても、具体的な部屋の広さはまだ定かになっていない。この段階でおおよその床面積を計ってみることにする。と、やはり案の...
しかし、ここで直ぐに部屋割りを急ぐようでは修業が足りない。ぐっとこらえて、配置計画図の上に、うっすら見える9ミリの桝目を頼りに、今...
さあ、ついに自邸の設計が始まった。6Bの鉛筆で、大まかにエリアを分けるゾーニングという作業に入る。今回は車を敷地内で反転させる大前...
建物のプランニングを具体的に進めるにあたり、まず前述の「法律が作り出す彫刻」を頭に叩き込む。おもむろに白い紙に測量図から敷地の形状...
まずこの塀がどちらの所有物であるか確認することになった。両端の境界石はブロック塀の真中にあった。この点では塀は両者の半々の所有と思...
この敷地の入手を決断する際、近所の空き地に荷造り用のビニールテープを貼って敷地と道路の関係を写しとり、何度も車の出入りを試みた。そ...
「敷地の良し悪しは道路付けによって決まる」 とは、よく聞く話だが、私達の敷地の場合、それは最悪に近かった。もちろん、それは百も承知...
建築確認申請の中では、木賃アパートも鉄筋コンクリートのマンションも共同住宅という名称で括られる。今回は住宅がテーマなので、この共同...
「女ってヤツは、まったく何を考えているのだろう」 妻のあまりにも毅然とした態度に、反論の余地も見つからない私は、しぶしぶ有名建築家...
私が入手した借地権の敷地は、個人住宅の敷地としては相当広い。法的には最大床面積で百五十坪の大豪邸が建つ。 「駐車場が二台、広めのリ...
まずその都市部で住宅の設計を進める際、設計者が一番苦労するのは、きっと斜線制限だろう。良好な住環境を保っている地域ほど、この規制は...
いざ設計を始めようとする直前は、建築士として一番胸が踊る瞬間だ。映画館でブザーが鳴り、照明がだんだん暗くなっていく、あの時の興奮に...