うまい土地の選び方(1) - 敷地には規制がある - SE工法、重量木骨、注文住宅なら一級建築士事務所 QUEST クウェスト

建築家の自邸、満足と反省の物語

うまい土地の選び方(1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  メールマガジン 「建築家の自邸、満足と反省の物語」

  2002/1/8(毎週火曜日発行)

  第1章 土地を選ぶ

   5.うまい土地の選び方(1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


□ ご購読感謝

みなさま、こんにちは。はじめまして。
ご購読いただきまして誠にありがとうございます。

このメールマガジンは、これから家を建てる方のために、建築家の私が自邸
を建てたときのエピソードを物語風にアレンジしたものです。
少しでもみなさまの参考になれば幸いです。



■ 5.うまい土地の選び方(1)

 先見の目のある親から都心に良好な住宅地を相続できれば別だが、田舎から
出てきて、真面目に税金を払い、生活費を捻出したあとのわずかばかりの予算
の2/3が土地代に消えていくこの都心の現実の中で、「凡人」の私が、少し
でもイイ家に住むにはどうしたらよいか。
 
 結論は、いかに土地をうまく買うかだった。
 では、実際のところ、一体どうやってよい土地を探せばよいのか。どこによ
い土地はあるのか。どうやったら買えるのか。

 ある地主から土地を売りたいという依頼をA社が受けたとしよう。
A社は売れれば地主から3%の手数料がはいる。さらに、A社が買主もみつけ
れば、A社は買主からも3%、合計6%の手数料がもらえる。こんなオイシイ
ことはない。A社はすぐに建売業者に情報をまわす。情報を受けた業者は遅く
とも2~3日のうちに見に行き、返事は早い。

買うとなれば、すぐにでも契約となる。しかも、ロ-ン条項(銀行のローンが
つかなければ、契約は白紙撤回)なるものは業者には適用されない。
特に相続などで出たまとまった大きめの土地は、総額が大きいので、なかなか
一般ユーザーには手が出ない。こうして、ほとんどが業者価格として、最低、
相場の2割は安い値段で一般に出回る前に取引される。

 が、これがまあまあの大きさの土地の場合、A社は一般ユーザーも見つけた
い。なぜなら、同じ金額であれば、建売業者より一般ユーザーのほうが地主の
受けがいいからだ。地主としては、できれば相手の顔を見て売りたいし、なに
より建売業者だと買い叩かれた感がある。はっきりと業者はお断りと断言する
地主もいる。

A社は一般ユーザーを見つけるため、まず、顧客リストから条件の合う客を探
し、かたっぱしらから電話する。その一方で、手書きのチラシをコピーして現
場周辺にポスティングや、立て看板をする。どちらも違法行為なのだが、なる
べくお金をかけたくないという目論見と、以外と効果もあるらしい。
ポストにはいってるチラシなんかうさんくさそうで、見もしないで捨てる方も
多いと思うが、このテでいい物件をゲットした方を実際に私は知っている。

 次が、ごく現場周辺への新聞チラシ。チラシはA社が依頼を受けてすぐ準備
したとしても、折込として配布されるまでに1週間ぐらいかかるので、本当に
いいモノはその前に売れてしまっていることもある。また、いい物件だと反応
もよく、たいていチラシが出て1週間以内に話がまとまることになる。このと
きのチラシは単独(その物件のみ)か、せいぜいA社が扱っている他の物件が
2、3裏に載っているぐらいで、「専属専任媒介」「専任媒介」と書いてある。

 さて、業者、顧客、ポスティング、立て看板、チラシでも「買主」が現れな
いと、A社は「買主からの手数料3%」をあきらめ、不動産仲介業社間の情報
網に情報を公開する。つまり、「買主」をみつけた業者が3%の手数料をGE
Tできるのだ。B社とC社から同じ物件を紹介されるのはこういう訳だ。ある
意味、一種の売れ残りなのだが、販促ツールとして最も一般的なもので、
「あのう、土地を探しているのですが―」
と入った不動産屋で見せられるB4版の図面がこれだ。大半の一般ユーザーが
この段階で買っている。

 また、仲介業者のなかでもD社は、この業社間の情報網を一同に集めた「集
合チラシ」を得意とするツワモノだ。「あのう、26番の物件に興味があるの
ですが―」と電話をしてみると、このあと世に言う「夜討ち朝駆け」攻勢が待
っている。いや、そうゆうことが多いと聞いている。実はこの私達も、少々う
んざりした経験がある。

 実際のところ、高額な買い物。それくらい後押しがないと、決断が出来ない
人も多いらしい。事実、この私の所に住宅の相談に来る方のほとんどが、一度
はこのD社体験をしている。「よく生還できましたね。」と冗談で笑う。
まぁ、少し大きめのダブルのスーツを着た若い営業マンに乗用車で「もう一ヶ
所、もう一ヶ所」と、あちこち引っ張り廻されるのも、土地を見る目を養うに
は効果はあるが。

 そのなかでも良い物件が長く市場に出ていることは少ない。「チャンスの神
様には後ろ髪が無い」と言われるように「先日のあの物件をもう一度検討した
いんですがー」「ああ、あれね、昨日別のお客さんが契約しました。」このや
り取りが3,4回繰り返される頃、やっと土地の良し悪しと相場観が身につい
てくるようだ。

 私は、前述した「住宅地図」を広げ、新聞に入ってくるチラシで売り物に印
をつけ、実際見に行って確かめたりした結果、実に値段は正直だと思った。半
年も真剣にやれば、確実に相場観は養われると思う。

 この相場感というものは、よい土地を買うには絶対必要だ。実は、私も相談
を受け、土地探しをお手伝いすることがある。仕事柄、業者価格で建売用地の
情報がきたりするのを紹介することもあるが、相場感が養われてないと決断が
できないのだ。そして、もっと大切なのは、事前に資金計画をしっかり立てて
おくこと。物件が見つかってから慌てて公庫や銀行に駆け込んだのではチャン
スの女神は去っていく。

 逆に言うと、資金がはっきりして、土地の良し悪しがわかるようになってか
らが買い時だ。間違っても、「もう2度と出ません。」などという仲介業者の
言葉を決め手にしてはいけない。

 そして、できればB社やC社やD社ではなくA社、つまり売主から直接依頼
を受けている業者であればなおいい。買う側にしてみれば手数料3%はどこに
払っても一緒だろうが、A社であれば、もともと売主から3%の手数料がある
から、売主との値段が多少折り合わない場合、6%の手数料からその不足分を
「泣いてくれる」ことがある。A社に3%+αの手数料がはいれば、他の業者
にみすみす3%持っていかれるよりずっといいのだ。B社C社D社ではなかな
かそうはいかない。

では、A社どこにあるのだろう?


(つづく)

 
 
SE工法、重量木骨、注文住宅なら一級建築士事務所 QUEST クウェスト 東京都渋谷区笹塚2-41-13