手抜き工事を恐れるより、手抜きをしない職人に依頼する

ところで最近、住宅の施工技術をあれこれ取り上げて説明している参考書が書店に多く並ぶ。時々手にとって見てみるが、失礼ながら一般の施主の皆さんには理解が難しいように思われる。一方「手抜き工事をされないように、毎日でも現場へ行きなさい」とアドバイスする先輩もいるが、実際のところ手抜きを見つけることはそんなに容易ではない。大体がそんな信頼のおけない人達に工事を頼むことがそもそも間違いなのだ。もしもの場合は、私がズブの素人だったら経験のある設計士や大工に頼んで、職人のいない日曜日にそっとチェックしてもらう。

職人の肩を持つわけではないのだが、手抜き工事ではないかと施主に疑われることほどヤル気を削がれるものは無い。明らかな手抜き工事は論外として、本来こうしなければと思われる作業内容を省略してしまうことは無いとも言えない。これらは本来、予算が厳しい時に発生する。職人も人の子。それぞれ生活がかかっている。やるべきことをきちんと施工できる時間と予算が確保されていれば、手抜き工事をする必要も無い。必要な資金も用意しないで、完璧な仕事を求める施主の側にも問題がある。

建築家 可児義貴からメッセージ

ショールームでお客様からご質問いただく、「可児さんてどんな経歴?」から、「なぜ設計事務所が住宅建設を?」「職人集団『チーム・クウェスト』って?」「SE構法にしている理由は?」「これまでの建設実績は?」「ホテルのような家づくりとは?」「予算は?」まで、本音で語っています。