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メールマガジン 「建築家の自邸、満足と反省の物語」
2002/4/16(できるだけ毎週火曜日発行)
第2章 敷地には規制がある
3.私道は要注意(1)
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□ ご購読感謝
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みなさま、こんにちは。はじめまして。
ご購読いただきまして誠にありがとうございます。
このメールマガジンは、これから家を建てる方のために、建築家の私が自邸
を建てたときのエピソードを物語風にアレンジしたものです。
少しでもみなさまの参考になれば幸いです。
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■ 3.私道は要注意(1)
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私達がこの敷地と最初に対面したのは、東京には珍しく道路に雪が降り積も
った1月であった。比較的往来のある道路から直角に20メートルほど伸びた行
き止まり道路の、一番奥まった位置にあった。午後からの陽光で、雪はぬかる
んでいた。周辺の広い道路には、もうほとんど雪が残っていないことから、こ
の道路だけはアスファルト舗装でなく、土のままの状態の道路だと容易に推測
できた。
「土の道なんて今どき珍しいけれど、砂利をいっぱい敷けばいいじゃない。」
これまで住んでいた古家の場合、玄関を出ると2歩目はすでに道路で、しかも
これが二本の幹線道路を結ぶ抜け道だったことから、結構車両の往来があった。
幼子二人抱えた彼女には、たとえ泥道でも人や車の往来がほとんど無い、この
どん詰まり道路の方が、むしろ好ましく思えたらしい。
このような理由から、私達は敷地が面する道路について特に調査もしないま
ま簡単に容認してしまったのだが、やはり後から冷や汗の連続が待っていた。
まず、道路幅が4メートルに満たない。勿論建築基準法では、道路の中心線か
ら2メートルずつ後退して敷地境界としなければならないのだから、この道路
に面する両側の民家は、これを無視していることになる。きっと、確認申請上
では新築したら塀は取っ払うことで認可をもらい、実際は古い塀はそのままの
状態なのだろう。よくあるパターンだ。
「対面のお宅がそうするのならば、こちらも敢えて後退しない。」そんな考
えなのだろうか。善良な市民でも、利害が絡むとついこうなってしまう。文句
を言う人が居なければ堂々とまかり通るこの現実。これが道路の登記上の持分
を公に認められている私道の実態である。
結果、無愛想なブロック塀に挟まれた狭い道路が都心には多い。私達の敷地
の場合もこのケースだった。ただ救いは車が通行できたこと。勿論すれ違いや
Uターンはできない。
一方、私道で最も厄介なのは、生活上のパイプライン、つまり水道や下水、
都市ガスなどの配管を新たに埋設しなおす場合に、道路であっても、その持分
の地主の承諾が必要になることだ。このことが起因して、揉め事も多いと聞く。
私達の場合は、借地権売買だったこともあり、自動的に古家付きであった。そ
して、この古家は築15年くらいの中古で、規模もまあまあ大きかったために、
配管類はそのまま再利用でき、道路掘削の必要性が無い幸運に恵まれた。
(つづく)
