住み始めて一年後のある出来事
最初の一年が過ぎて二度目の夏の訪れが間近い頃、一階のアパートに住む親父の様態が目に見えて悪化した。妻のケイコが頻繁に大学病院に連れ...
単行本『建築家が自邸を建てた』(その歓喜と反省の物語) 第12章です。
最初の一年が過ぎて二度目の夏の訪れが間近い頃、一階のアパートに住む親父の様態が目に見えて悪化した。妻のケイコが頻繁に大学病院に連れ...
浴室の広さについて考える。我が家の場合は浴槽がやや大きいこともあって、一般的な一坪の大きさより、幅、奥行き共にやや広くしてある。ユ...
我が家の場合は、ホーロー浴槽のため意外に早くお湯が冷める。こんな時は、壁の給湯リモコンに手をのばし、ピピッと温度を60度に上げ、注...
ところで、住み始めてしばらくして経ったある日、この洗面所でもうひとつ問題が発生した。排水がスッと流れなくなったのだ。一般的に洗面器...
さて、この洗面室、引っ越して暮らし始めてから家族の皆が首をかしげた。 「チョット変じゃない?」 実際のところ、違った形の水栓がふた...
そんな矢先、偶然にも数軒先のマンションで、痴漢騒ぎがあった。駅前交番の警察官からも注意を促す伝言があった。発表していないだけで、こ...
さて、心配した電気代はどうだったか。住み始めて半年も経った頃、恐る恐る引き落とし口座の伝票を垣間見た。なんとこれが予想の半分ほどで...
家族が集うダイニング空間と、それに続く自慢の空中庭園との間は、新発売の全開口サッシになっている。掃出し窓の四枚がアコーデオンのよう...
街道沿いのビルが建ち並ぶ一角に、瓦屋根の古民家風の佇まいは、これまでも沿道を走っていていつも目に留まっていた。時々立ち寄ってはいた...
我が家の南側の隣地は、土地を購入した時点では、この辺りでは珍しい鬱蒼とした雑木林の中に、汚い木賃アパートが数軒建っていた。そこに突...
季節は移り、秋が深まった深夜の枕元。 「ちょっと寒くないか?」 「そうねぇ、言われてみれば」 何故か私は後頭部に冷気を感じて辺りを...
我が家には、この一年間で観葉植物が異常に増えた。ホームセンターの島忠で、入荷日を調べて一番乗りをすると、個性的な植物に出合えること...
今更、進化論を持ち出すまでもないが、人間、確かに適応能力に長けている。最初は驚きと興奮の連続で、毎日が夢心地だったが、だんだん慣れ...
誰しもそうなのだろうか。引っ越しをして家財道具が一通り片づくと、親しい人たちに無性にご披露したくなる。双方の両親も健在で、幸い近く...
引っ越しの後は、早春で暖かな日差しが続いたかと思えば、花冷えの午後もあった。しかし、建具が無いと荷物の出し入れには好都合なので、家...
数々の紆余曲折を重ねながらも、我が家の竣工がほぼ見え始めた三月の終わりの頃、長男のケイスケの小学校入学を睨んで、少し早めに引っ越す...